木曜日。
今日は春分の日。祝日です。
昨日はまさかの雪に大慌てしてまして、
帰りの時間も降っていたらどうしようかと考えていたところ、
夕方から晴れてきたので、普通に帰ることができました。
今年最後の雪なのかな。3月に入ってから雪の降る日が
多いような気もしますが、明日からは春本番の暖かさ。
ソメイヨシノの開花ももうすぐとテレビで言っていたので
楽しみにしてます。
そんな祝日の松戸駅前です。

さて今回は、読んでみた本の話です。
こないだ、こちらの本を読んでみました。

以前、爆笑問題の太田さんがコメントしていた
ヤフーニュースで取り上げられていたのを見て、
本屋で立ち読みしたところ、なんか
変わった小説だな~ と思い買って読みました。
(ネタバレになる箇所が、この続きにあります)
「変わった」と言ったのは、最初の
70ページくらいが、ひらがなばかりで、
かつ、誤字ばかりになっていたところです。
主人公であるチャーリィ・ゴードンからの視点で書かれ
記載内容を「経過報告」として書かれているためです。
知的障害を持った主人公が脳手術をし、周りの皆よりも
知的能力が爆発的に上昇します。
IQが68から185にまで上昇します。
またこの実験には主人公が実験される前に
アルジャーノンという名前のハツカネズミが
実験台とされ、そのめざましい能力向上より、
最初の人体実験が主人公でした。
知的能力が最高に高まったアルジャーノンでしたが、
やがて、能力が退行します。普通よりもはやい速度で。
今までできていたことが急にできなくなり、
早く退行したまま、死んでしまいます。
主人公も、自分がそのような運命になることを悟ります。
そして、その通りとなってしまいます。
読み終わった後、言葉が出ませんでした。
言葉は出なかったのですが、何か
胸の中に「もやもや」したものがありました。
脳手術を行ったことで、普通の人間並みの能力を持ち、
さらにそれを超え、知的能力の面においては
世界中のどの人間よりも賢くなりました。
しかし、長続きせず、急スピードで退行していく箇所は
読んでいくのがつらく感じました。
段々と後退していく最後の文章で、
自分が行っていた行為であることをお願いする言葉が
書かれていました。
「ついしん どーかついでがあったら
うらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやってください。」
自分の能力がなくなっていく最後の最後まで、
自分以外のもの、自分の親友であったネズミへの思いやり。
(書き方が変で申し訳ございませんが)普通の人間なら普通にできる
自分以外への優しさ。それこそが人間として生きていることであり、
もっと言えばそれが当たり前なんだよと教えてくれたのかなぁ。
現代風に言うと、テストで100点獲りました、有名大学に合格しました、
ということももちろん良いことですが、自分以外への思いやりを
持ち続けること、それを忘れないでねということなのかもしれません。
400ページ以上ある長編の海外文学でしたが、
かなり興味を持って読み続けられました。
読後に思った気持ちはモヤモヤばかりで
決して良い気分になれなかったのですが、
この本を読んでみて良かった、と思えた本でした。